二口目が食べられないほど不味い料理を食す男。

初めての出会いの日。

どんな人だろう・・・
どんなお店に行くのかな・・・
なに着て行こうかな・・・

ワクワクドキドキの朝だった。

髪型くずれてないかな・・・
化粧直ししなくちゃ・・・
やっぱり、あっちのスカートの方が良かったかな・・・

フワフワドキドキの昼だった。

そして、待ちに待った約束の時間・約束の場所。

うん。
ちょっとやせっぽっちだけど、見た目は普通の人ね・・・
ちょっと自信なさげだけど、悪い人ではない印象・・・

第一印象は良くも悪くもない。
お食事しながら、ゆっくりと相手を知りたいわ。

そして、連れて行ってもらったお店は、居酒屋さん。

運ばれてきたお料理を一口食べた途端、帰りたくなったの。
もう二口目を食べたくないくらいに不味い。
どうしたらこんな不味い味になるのか不思議なくらい。
食べたことないけど、ドッグフードかと思った。
もちろん、飲み物だって美味しくない。

でも彼はパクパク食べて飲んでるわ。

ここが彼のオススメのお店なのかしら。
この味が彼の好みの味なのかしら。
それとも私、バカにされてるのかしら。

お腹も空いてるし、話も弾まないし、帰りたくて仕方がなかった。

2時間経って、やっとお開きになった。
営業スマイルでお礼をし、やっと一人になった。
お腹がグーグー鳴り続けてる。

もうどこでもいいわ。
あそこに見えるカフェにしよう。
ローストビーフとサラダを食べたわ。
普段は普通に美味しいと思ってたけど、今日は違う。
とってもとっても美味しい、さっきのドッグフードの1000倍美味しい。

お腹がいっぱいになったら冷静になれた。
結婚相談所の担当さんにお断りの連絡して帰ったわ。

食べることに興味のない男性に魅力は感じられなかった。

朝から浮かれてた自分にムカムカな夜だった。

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楠木メロン

ホリ子さんの子分よ。年齢は秘密。某出版社の編集者。独身。ホリ子の美貌や行動力に憧れてる。私も婚活してるけど、男の嫌な部分をたくさん見ちゃってホリ子さんと結婚したいなって。時々結婚相談所のお手伝いさん。

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